第14章 ファンクラブ
ーーー流星side
ぼやぁっとした意識で、
ふらふら歩いてたトイレの帰り。
ちらちら見られる視線も、
声掛けようよ、と聞こえる話し声も。
すべて無視して歩いてた。
神ちゃんも連れて来たら良かったな
『…あね、私もそれ思ってた〜』
ふと聞こえた話し声は、
先ほど遊びに誘ってきた女子たち
群がってなに話しとんのやろって、
隠れて盗み聞き。
『ちゃん正直、邪魔よな』
『それな』
『思い知らせる?』
『バレたら神山くん達やばいで?』
『そうなんよなぁ…』
嫌がらせ、の話?
『神山くんより流星くんの方がやばいで
ああ見えて一番妹大事にしとるから』
『そうなん?』
『友達がちゃんに嫌がらせ?みたいな
感じのことしてたら思い切り怒鳴られたって』
『えええ〜やっぱ怒ると怖そうやもんな』
『バレなきゃええんちゃん?』
俺、怒ると怖いんかな?
大切な人が傷ついとったら
怒鳴るの当たり前なんちゃう?
それに怒ると一番怖いんは、
正直、望と神ちゃんの方やと思うわ
「イジメだけはしたらあかんでー」
『『流星くんっ!?』』
「に手出したら知らんで?」
俺の兄貴らがな。
『行こっ…』
『う、うん』
さあて、はよ戻らな。
くるりとまた歩き出す
神ちゃん遅くてイライラしてるやろな