第13章 昔話〜小瀧望〜 *
触んな、
俺はお前を傷つけてまうから。
見てると悲しくなって
自分のこと、どうしようもなく嫌いなんねん
「俺なんか!居らん方がええねん!!」
迷惑だって言えばええやんか。
ちびでガキな俺なんか
一緒にいて迷惑なんやって。
同情?かわいそうやって?
余計なお世話や。
お前ら大人が俺を見捨てたんやろ。
流「自惚れんな」
流星は砂を払いながら立ち上がり、
キッと俺を睨む。
流「居らん方がええ?アホちゃう?
そんな奴を、淳太くんが引き取るか?
引き取るわけないやろ。
必要なんやって、一緒におりたいって事やろ」
「でも俺…」
流「淳太くんってな、めっちゃ優しいねん
こんなひねくれた俺らをな?家族やって
友達や言うて家に迎えてくれてん
冷たくて刺々しいけど優しい奴やねん」
「せやな、」
流「お前のこと、必要やって言うてたで
ちびで、しげと同じガキっぽいけど。
甘えん坊ですぐ甘えてくるところとか、
よく笑うとことか大好きなんやってよ!」
そう笑いながら言う流星が、
照れくさそうに
流「俺も、お前が大好きなんやって」
帰ってこいよ、
そう言ってぎゅっと抱きしめてきた。
初めて感じた温かさだった。
それは体温だけでなくて、
愛情、そういうぬくもりだった。
だから俺、
涙脆いんやろな〜、
ボロボロ泣いてもうた
「帰りたいっ…寂しっ…りゅせ、」
流「お前アホやなあ」
「やって俺…」
嫌われてると思っとった。
俺なんかが生まれてきたせいで
オカンを苦しめ結果、餓死したんやから。