第2章 診療録管理規定

「音楽療法とは、音楽を聞いたり演奏したりする際の生理的・心理的・社会的な効果を応用して、心身の健康の回復、向上をはかる事を目的とする、健康法ないし代替医療 あるいは補完医療 の事を言います。（いずれも「現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」と定義され、現代的な意味での医療とは区別される）。歌唱や演奏を行う能動的音楽療法と音楽を聴くなどの受動的音楽療法の2つに分かれるわ。」
療法士の方がそう説明してくれたので俺は頷くことばかりだった。
「健康法ないし代替医療と補完医療 についてはご存知かしら？」
「はい、『通常医療の代わりに用いられる医療』を指す用語であるのが代替医療ですよね。健康法は、健康を保つことを目的として日常的に行なわれる行為や方法のことである。健康法を実践することは養生ともいう。それから補完医療とは、『通常医療の代わりに用いられる医療を指す』用語であるんですよね？」
俺は堂々とそう答えた。
「さすがだわね！事前に勉強してきたのね。」
「はい。」
音楽療法には日本音楽療法協会というのがあるらしい。1995年に発足され現在でも続いています。会員の多くは音楽療法関係者ですが、他に医師や作業療法士、理学療 法士、臨床心理士、看護師、教師や保育士などの専門職も多く、会員数 は6,000名を超えています。
この日は音楽療法士さんに普段の仕事の流れについて教わった。
「私が行っているのは能動的音楽療法と言って音楽に合わせて体を動かしたりリズムを取ったりするものですよ。」
療法士さんがそう教えてくれた。
「なるほど。いいですね。」
「私はこれまで乳幼児から高齢者まで、自閉症や脳性まひ、認知症などさまざまな障害を抱える人と接してきました。色々な障碍者の方がいるけれどその方に合った接し方を研究していくことが大事ですね。最初はつらいと思うけれどここを乗り越えていけば彼らに明るい未来を差し伸べるお手伝いができると思って頑張っていくしかないわね。」
「そうですか。大変そうだけど僕は興味があります。音楽療法の試験も頭に入れておきますね。」
俺はこの日頷くことばかりであった。
「興味を持ってくれてよかったわ。それじゃあ実際にリハビリをする所を見学していきましょう。」
こうしてこの日の実習は幕を閉じた。そして大学を出て帰宅した。