第2章 診療録管理規定
患者の皆様初めまして。俺は桐生蓮と言う名前だ。今はちょうど医療系の大学に通っている医大生だ。俺の父親が医者なので父親の意思を受け継ぐ形で医者の道に進もうと決めたのは俺が高校2年生の頃だった。中学の頃はまじめに勉学に励みおかげで名門進学校へ進むことができた。その甲斐あってか高校の時も”医者になりたい”と進路相談の時に担任の先生に相談したら色々な医学部のある大学を紹介してくれた。そしてこの大学に入って今は医大生として在学しており勉強の日々だ。3年生になると実習も始まり俺は興味のあった音楽療法を受けてみることにした。もともと父が眼科専門の病院を小さいながらも開業しており、母も昔看護師をしていたとだけあってうちは医学家族だった。そんな両親のもとで生まれ俺はそんな両親を見て育ってきた。忙しいながらも父は休診日の日は遊んでくれたり母も俺が子供の時怪我したら手当を一生懸命してくれたのを今でも思い出す。
「懐かしいな。」
とすら、今では思えるのだ。
俺が医者を目指す事は両親は反対しなかった。むしろ応援してくれて励ましてくれた。
「医療の道は厳しいが学べばきっと何かの役に立つぞ!」
父は俺にそう言葉を投げかけてくれたのを今でも鮮明に覚えている。
「うん、俺頑張るよ。」
父にそう誓い合い、高校3年生の卒業式を最後に両親と別れを告げてアパートで一人暮らしとなった俺は日々の生活に追われていた。
朝は早く起き、簡単に朝食を済ませ最寄り駅まで自転車、後は電車に揺られて1時間すると学校がある。
学校に着くと急いでロッカーに荷物を置きに行った。
この日は待ちに待った実習の日だ。前から楽しみにしていた音楽療法が学べるからである。俺は白衣に着替えると急いで大学の附属病院へ向かった。
入り口を入って簡単な説明を受けると音楽療法が学べる施設の方へ移った。
「ここの病院は大きいですね。」
俺は看護師と並んで話した。
俺だって医者になればきっとこんな大きい病院で働くに違いないと思った。
「こちらへどうぞ。」
そして施設に案内されると先ほどとは違う方が案内してくれた。