第5章 アクセスフリー
そして夏休みが終わり10月となった。ついに直也の大学でのパフォーマンスとなった。
「それじゃあパフォーマンス後にCD販売だけどいいな?」
俺はみんなに呼びかけた。
「OK!」
みんなで円陣を組んでステージに上がった。そしてこの日は直也が裏方に回りプロジェクターマッピングを流してくれた。
「みなさんこんにちは!俺達は医療系バンドを結成したMedical workerです。」
俺がお客さんたちに挨拶をした。
「何故この大学でも演奏させて頂くのかというとこの大学に通っている高橋直也君が私達のサポートメンバーになってくれたからです。直也君、ちょっと出てきてくれる?」
さやが続けて言ったあと、直也をステージに呼んだ。
「えっと初めましての人は初めまして。××大学に通ってる高橋直也です。大学では映像の勉強をしています。そんな中、大学の他学部交流会でみなさんと出会いバンドのメンバーにして頂きました。今日は彼らのバンドに僕のプロジェクターマッピングを流すのでそちらも見て頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。」
直也は深々と頭を下げるとステージ裏に回った。
「えっとそれからみなさんにお願いがあります。僕らの演奏の後、少しでも興味を持って下さった方は僕らのCDを買っていってください。まだインディーズですがいずれは本格的にやっていきたいと思っています。応援よろしくお願します。」
僕の挨拶の後に結城のドラムスティックの合図で曲が始まりプロジェクターマッピングが流れ始めた。
そして披露した曲は以下の通りだ。
1.クオリティ・オブ・ライフ
2.伝心音
3.ICF~僕らにできること~
の3曲だ。
その後にアンコールがあり.恋はいつでもアドレナリン♪を披露した。
来てくださったお客さんから拍手喝采で終わったもののCDは45枚売れ、5枚だけ売れ残ってしまった。
「惜しいなあ~。あと5枚かあ。」
俺は悔しかった。50枚売れると意気込んでいただけあってあともう少しだったのは残念だったからだ。
「ちょうど僕らのメンバーと同じ枚数ですね。」
直也が肩をすくめた。
「仕方ねーから、俺達で貰っておきますか?」
結城がお手上げのポーズをした。
「どうする?」
俺達は顔を見合わせて考え込んだ。