第4章 インテーク
「いいですね。医療系バンドなんて聞いたことないですからね。それとさやちゃんだっけ?一人だけ女の子が入ってるのもすごいですよね。」
「ありがとうございます。」
男性の方の言葉に笑顔のさや。
「あともう一つ聞いていいですかね?直也君だけ違う大学なんですね。」
女性の方が直也に聞いた。
「そうなんですよ。みなさんとは他学部交流会というイベントで知り合いまして桐生君の方から誘って頂きました。ちょうど僕が大学の方で映像やプロジェクターマッピングを勉強しているので彼らのバンドのPV制作とかコンサートのバックスクリーンとかいずれはできたらいいなーって思っています。まさか僕が学んでいることがこんな所で役立つなんて思ってもみなかったので正直嬉しいです。みなさんの足を引っ張らないように精一杯やって行けたらと思っています。」
直也は少したどたどしい所もあったが丁寧に答えていた。
「はい、それでは折角なのでMedical warkerのみなさんに曲を披露して頂きましょう。彼らのオリジナル曲でクオリティー・オブ・ライフを披露して頂きます。これはどんな曲でしょうか?」
女性の方が俺に聞いた。
「えっとこの曲は僕が最初に作詞をした曲で作曲はさやがしてくれました。クオリティー・オブ・ライフとはQOLと省略するんですけれども『生活の質』『人生の質』『生命の質』などと訳されます。 命の大切さや僕らは助け合って生きているというのを歌詞に込めてみました。」
「それでは披露して頂きましょう。Medical warkerでクオリティー・オブ・ライフです!どうぞ!」
結城のドラムスティックを合図に曲が始まり俺は歌った。今回はラジオ番組だったため直也の映像は活かされなかったが直也も手を叩いて応援してくれた。
ジャジャーン♪
そして演奏が終わった。
「ありがとうございました。」
演奏が終わるとラジオの出演者の方々からお褒めの言葉をたくさん頂いて励みになった。あと直也の大学でも披露することを告知できてよかったと思った。こうしてラジオの収録は終ったのであった。
バンド人生の第一歩の幕開けですね。みなさんもこんな俺らのバンドとサポートメンバーの直也をよろしくお願いします。