第3章 ボディメカニクス
文化祭の帰り道に俺はCDショップに立ち寄った。
「やっぱりバンドって言ったらロックかなあ?」
俺はCDを物色した。
ロックと一口に行ってもいろんなジャンルがある。ハードロック、V系、メタル、ポップロック、パンクロック・・・あげればきりがないが色んなジャンルのバンドが出てきている。
俺達はどんなジャンルでバンドをやろうかとふと思った。でもさやがシンセサイザーだからポップロックでもいいかもしれないと思った。またはテクノロック?それもいいな。
俺は家路に着くと早速テーブルに紙とペンを広げ歌詞を書き始めた。
「次の曲は何のタイトルにしようかな。」
俺がバンドを組みたいといったあの日。最初は半信半疑だったみんながいつしか乗ってくれるようになった。そして文化祭でのパフォーマンスがあんなに好評だったなんて思いもよらなかったな。
「これは行けるかもしれない!」
と思った瞬間だった。
俺はお客さんと一緒にダンスできる歌もいいなと思った。
「そうだ!ICFだ!」
ICFとは国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health)の略語である。
以前授業で習っていたので覚えていた。
この頭文字を一緒にダンスしたら楽しいだろうな。と思っていると歌詞がスラスラ書けた。
「文化祭後にさやに曲を作ってもらおう。あっ、そうだ。あともう一つ曲を作ろうかな?」
アンコールとなるともう一つ曲は用意した方がいいと思ったからだ。
文化祭後が楽しみになって来たな。でも文化祭の間にもっと俺らを売り込まないとな。それと直也の大学でもバンドをすることになっている。この時は直也がプロジェクターマッピングを用意して流してくれるそうだ。直也の大学の文化祭は10月にある。俺らの大学の文化祭が今7月だから大分時間があるので新曲を作って披露できればいいなと思った。
「やべっ、もうこんな時間だ。」
俺はテーブルから離れて夕食の準備に取り掛かった。