第3章 ボディメカニクス
あれからしばらくしたある日。俺らの学校でも文化祭シーズンがやって来た。そこで俺達のバンドを披露することになった。
文化祭は沢山の人々でごった返していた。俺達はステージに立つ準備をしていた。
「もう直ぐだからな。気合い入れて行けよ。」
「おー!」
あんなに乗り気じゃなかったみんながいつしか真剣に取り組むようになった。
「桐生君、頑張ってください。」
するとそこに直也が小走りでステージ裏にやって来た。
「直也、来てくれたんだ。ありがとうな。頑張ってくるな。」
こうしてステージに上がった。
「それでは披露して頂きましょう。Medical wokerのみなさんです。」
司会者が俺らを紹介してくれた。
「どうも!俺達医療系バンドをコンセプトにしたMedical wokerです。」
俺が挨拶をしてからメンバー紹介をした。
「それじゃあいくぞ!」
結城の合図で歌と演奏が始まった。あれだけ練習したもんな。きっと上手くいく。
ジャーン!
演奏が終わると拍手喝采だった。するとどこからか声が聞こえた。
「アンコール!アンコール!」
「ちょっとアンコールなんて、私達の曲はこれだけなのにどうするの?」
さやが俺に聞いた。
「みんなで出来る曲ないか?」
俺は小声でみんなに聞いた。
「じゃぁ、スキマスイッチさんの全力少年をやるけどいいか?」
「いいよ。」
「それでは、アンコールありがとうございます!次の曲はカバー曲でスキマスイッチさんの全力少年です。聴いて下さい。」
こうして俺の機転で次の曲も大成功でステージ発表を終えたがやっぱりアンコールは心残りがあった。
「アンコール用にもう一曲作るか。」
「別にカバー曲でいいんじゃない?」
さやは面倒くさそうに言うがなんとか説得して次の曲も作ることになった。
「だいぶ本格的になってきたな。」
結城が頷いた。
こうして俺達は文化祭後にアンコール曲を作ることにした。