第11章 夢の中でも【長谷部】
【長谷部】
「あれ?長谷部くん、今日はもう終わったの?」
「燭台切か…いや、主が皆の元に戻れと…」
「主と何かあったの?」
「俺は何もしてないと思うのだが…」
いつも通りに近侍の仕事を全うしていた。
だけど今日の主はいつもと違っていた。
どうしてだ?
「主、長谷部です。入りますよ」
夕方、再び主の部屋を訪れた。
まず目にはいるのは散らかっている畳。
散らかった畳の上で寝転ぶ主。
近づけば寝息を立て眠っていた。
「こんな所で寝ては風邪を引いてしまいますよ…」
こんな無防備な姿、普段は見せないのに…
「ん…はせ…べ…」
夢の中でも主の側に居るのか…
「主、長谷部はずっとお側に居ますよ」