第12章 甘い贈り物【加州清光】

【清光】

広間に戻ると中は賑わっていた。

「安定、何食べてんの？」

「ちょこれーと」

ちょこれーと！？

「燭台切長谷部が持ってきた…主が沢山作った余りだってさ…」

「なあ、これにも清光って…」

「兼さん！しっ！」

清光？

俺は安定をどけてちゃぶ台に置かれた皿を覗いた。

そこには俺が貰ったのと同じものが沢山。

だけどよく見れば形が不格好のものばかり。

いわゆる失敗作。

「清光は食べないでよ…これは僕たちのだから」

「大丈夫…俺はもう貰ったから…しかも食べさせてもらっし…」

「は？」

「俺、主にすっごく愛されちゃった」

俺も愛しちゃったけど。

「清光、後で手合わせやらない？」