第8章 小さな主【鶴丸国永】
【燭台切】
「あるじさま、みてください!そーれっ」
「よっ!」
庭では岩融くんが今剣くんを高く上げ宙を一回転し、地面に着地する。
僕の膝の上で見ていた主はきゃっきゃっ!と、喜びながら岩融くんの方へ手を伸ばす。
「お、主殿もやって欲しいか」
「岩融くん、主はまだ小さいから危ないよ…」
「今剣と変わらん変わらん」
小さいものはどれも一緒だと言い主を抱きかかえる。
「主殿、いくぞ!」
それ!と、岩融くんが手を離すと、主は空高く飛んだ。
「主!」
「いわとおし!やりすぎです!」
今剣と同じでも主の方が小さくて軽い為、遠くへと主が飛んでいってしまった。
追いかけようと走り出すと僕の横を素早く通り過ぎる影。
「主ぃぃぃ!」
「長谷部くん!!」
いち早く向かったのは長谷部くんだった。