第8章 小さな主【鶴丸国永】
【燭台切】
鶴さんを起こしに行くと、鶴さんの隣には小さな女の子。
「主に似ている」
鶴さんは女の子の顔をじっと見つめていると
「主様、おはようございます……なんというお姿!!」
女の子の前に現れたこんのすけはその子を主と呼んだ。
「主……なのか!?」
鶴さんは隅から隅へと主を見ていると
「確かにこの子は主だ!この黒子といい、一昨日俺が付けた痕まである!」
ほら!と、わざわざ鶴さんが主を僕の前に
「分かったから!それよりどうして主がこんな姿に?」
「政府によると、主様の力が異常を起こした事だそうです。他の本丸では刀剣男士が小さくなった報告もあります」
この本丸ではそんな話はまだ聞かれない。
「主の異常って」
「恐らく昨日の手入れが原因かと…」
昨日の手入れ
「俺か……」
昨日、出陣先で鶴さんは重傷で帰ってきた。
長い時間付きっきりだった主。
「いつ戻るんだ?」
「早くても1日は掛かるかと」
「じゃあ、今日の予定考え直さないとね」
主の力が無ければ手入れもできない。
だから、出陣は出来なかった。
「光坊、主は俺に任せてくれ!」