第8章 小さな主【鶴丸国永】
「一体何が起こったんだ?」
目を覚ましたらそこには小さな女の子。
頭が痛いと目を開ければその子が俺の髪で遊んでいた。
小さな手は俺の髪を色んな方向へと引っ張る。
「痛いからそろそろ止めてくれないか?」
「やっ!」
「そうか…なら仕方ない」
飽きるのを待つか。
すると、部屋の障子に人の影。
「鶴さん、入るよ…手入れは…」
「おう!光坊、助かった。俺を助けてくれないか」
このままでは俺の髪が重傷になってしまう。
「鶴さん、この子は?」
「さあな、起きたらいたんだ」
「主は?」
「主…さあ?」
「僕、今日近侍なんだけど…」
「頑張れよ」
「鶴さん、身体は大丈夫?」
「この通りさ」
俺は袖を上げ腕を光坊に見せる。
「良かった。主、昨日遅くまで鶴さんの手入れしてたからね」
光坊の一言で俺は小さな女の子の顔を見た。
「主に似ている」