第7章 主と安定くん【加州清光】
【清光】
安定ばかり可愛がる主。
いつもは俺に言ってくれる言葉も今日は全部安定。
「美奈子」
主の真名を言えばやっと俺を振り向いてくれた。
やっと俺の頭を撫でてくれた。
主が言ったやきもち…嫉妬なんだって。
こんなに小さくなった安定にやきもち妬いたんだ…俺。
でも良いでしょ?
やきもち妬いたって
俺と主は恋仲なんだから。
いくら小さくても安定は安定。
「主は俺のだから…」
お前には渡さない。
「主、そろそろ出陣の命を…」
「そうだった」
近侍の長谷部が来ると主は部屋を出て行った。
長谷部まで主取るの?
「うっ……うわぁぁぁん!」
同時に安定が泣く。
「ちょっ!なんで泣くんだよ!安定っ!」
俺は近くにあった玩具で安定をあやした。
「何やってんだろ………俺」