第7章 主と安定くん【加州清光】
「主君、買ってきました!」
「これで足りるかな?」
「何かあればまた万屋に行ってきます」
「ありがとう」
粟田口の前田、乱、平野が万屋に買い出しに行ってくれた。
「あ~あ…俺の部屋が…」
清光が残念そうに呟くのは無理もなかった。
清光と安定の共同部屋は子どもの物であふれていた。
ベビーベッドには安定がすやすやと眠っている。
「可愛い…」
私は眠る安定にそう囁く。
「安定が可愛いのは幼子だからでしょ?」
「安定~」
「ねえ、主…」
「ぷにぷに~」
「美奈子」
急に真名を言われ振り返る。
「やっと見た…安定ばっかり構わないでよ」
「ヤキモチ?」
「さあね…」
「清光も可愛いよ~」
私は清光の頭を撫でた。