第7章 主と安定くん【加州清光】
着替えた私と清光は長谷部の前に座る。
「主、この子どもは一体…」
「見て分かるでしょ?安定だよ。大和守安定」
答えたのは清光。
「朝、起きたら安定こんなんになってたんだ。だから急いで主の所に行ったって訳」
「今、こんのすけが政府の所に行ってるの」
「しかし、どうして大和守が…」
三人で悩んでいると、部屋の外から声を掛けられた。
「長谷部くん、主に朝餉が出来たよって伝えてくれるかな?」
今日の内番…食事当番の燭台切だった。
「ひとまず、今は朝餉に致しましょう。主」
「どうすんの?安定…」
「……仕方ない。皆には俺が説明する」
こういうの長谷部は本当に頼もしい。
食事をする大広間に行くと既に皆が揃っている。
「皆に知らせがある…加州」
「は~い」
安定を抱えた清光が入ると、一気にざわつく部屋。
「加州、お前いつの間に」
「加州さん、ついに主さんと…」
和泉守は口を開け、堀川に至っては口を押さえうっすら涙を浮かべていた。
「こりゃ驚きだ」
鶴丸は清光に抱かれた安定の頬をつついている。
「ほほう~俺も驚いた。ところで加州、その幼子は誰だ?」
そう発したのは三日月だった。