第5章 驚きと幸せを【鶴丸国永】
【鶴丸】
強い風が吹き、目の前を桜の花びらが舞う。
「これは驚きだ」
主に掛けた自分の羽織り。
羽織りに付いていた帽子が主の頭を被せていた。
その姿はまるで
「花嫁みたいだな」
「え?」
帽子を取ろうとする主の手を止める。
「鶴丸?」
「なあ、主。この際…夫婦とやらになる気はないか?俺はこの先もずっと主と一緒に過ごしていきたい」
「でも…私たちは」
「俺たちは男と女…」
審神者の主と付喪神の俺じゃない。
愛し合う男と女として。
「駄目か?」
「駄目じゃない…私も鶴丸とずっと一緒に生きたい」
「幸せにする…」
「もう、幸せだよ…」
「今よりもっと…驚く位幸せにする」
飽きることの無い幸せを…