第5章 驚きと幸せを【鶴丸国永】
【燭台切】
桜の下に居たのは
「鶴さん!」
「よお!光坊!」
主の書物に書いてあった事は本当だった。
奇跡が起きたんだ。
鶴さんの羽織りを着た主はまるで花嫁衣装の様で綺麗だった。
久しぶりに見る主のあんな表情。
嬉しそうで、幸せそう。
僕たちには出来ない表情を鶴さんは直ぐにさせちゃう。
適わないね…鶴さんには。
「光坊!丁度良い所に!主に温かいお茶を頼む!」
「分かったよ」
「後、祝言も頼む!」
「分かった……えっ!?」
「鶴丸国永…主と…」
「長谷部くん!気をしっかり!堀川!長谷部くんを…」
「はっ…はい!」
やっぱり鶴さんのいる本丸は賑やかだ。
鶴さん、主とお幸せにね。