第5章 驚きと幸せを【鶴丸国永】
【燭台切】
その日の夜の事だった。
ふと目が覚め外を見れば桜の木の方へ向かう主の姿を見つけた。
『主?』
僕は長谷部くんを呼んで主の後を追った。
桜の木の下で膝を付く主の前には鶴さんの太刀が埋められていた。
『鶴丸…どうして……っ』
遠くからでも分かってしまう主の泣き声。
僕の罪。
『俺たちなら大丈夫だ!』
そう鶴さんは言ったけどちゃんと止めていれば。
鶴さんを信じたい。
だけど、結果がこれだ。
『御免……主…』
『燭台切、自分を責めるな。皆、主の為に戦った…』
その日から毎日主は鶴さんの所に行っている。