第4章 いつかは【一期一振】
【一期】
ばたんと身体を崩した私は目を開けると下には主の姿。
私が主を押し倒す状態になっていた。
「いち兄!?」
「鯰尾これはっ…!」
縁側にいた鯰尾たちが振り向きこの状態が目に入ってしまった。
「うん……何事ですか?」
眠っていた弟たちまで起きてしまった。
「主、今離れますから」
しかし、時は既に遅し。
「いち兄何をされてるんですか?」
弟たちは私と主を交互に見ている。
「主が倒れてしまって私も…」
必死に言い訳を考えていると
「やっぱり主さまといち兄は恋仲なのですね!」
「え?」
前田が目を輝かせ私を見ている。
本当に?と秋田たちも私の周りに集まってしまった。
「ち、違うから!」
しかし、弟たちに言ったのは主の方だった。
「今のは私が悪いの!事故!事故だから!」
「主っ!」
主はそれからここを離れてしまった。
手を伸ばしても弟たちに囲まれている状態では引き留めることなど出来なかった。
「主…」