第3章 大好きな人【加州清光】
【清光】
「俺の事が嫌いになっても?」
何て冗談で聞いてみた。
「清光は私の事嫌いになるの?」
涙を浮かべながら俺を見るのは反則でしょ?
「なる訳無いじゃん!絶対に!」
俺が主を嫌いになる理由なんてどこにも無い。
「私だって清光の事嫌いならないよ。だって清光の事大好きだから…」
大好き
俺、愛されてる。
「俺も大好きだよ…主の事」
長い時間(とき)を巡って出会った最愛の人。
「清光!いつまで主とそうやってんの?」
あと少しで唇が重なるという時に邪魔が入った。
「邪魔しないでよ安定!」
「こんな所で主と口付けなんて交わさないでよ。皆見てるよ」
「これは見せてるの!主は俺のだって!ねえ、主?…………主?」
主を見れば顔を真っ赤にしていた。
どうやら周りが見えていなかったらしい。
「き、清光!早く手入れ部屋に行くよ!」
「え~…」
主は俺の手を引き進んで行く。
「いたっ!」
「清光!?」
ちゅっ━━━
「奪っちゃった」
「…………!!」
可愛い。