第3章 大好きな人【加州清光】
「そろそろ退いてくれる?折れちゃうよ?俺」
「それは駄目!」
身体を起こし、清光と顔を合わせる。
「清光、ずっとどこに居たの?」
「俺もよく分かんないんだよね…あの時はもう駄目だと思ってたんだけど、主がくれた御守りが守ってくれた。でも、無くなっちゃったけどね…」
あれが無ければ二度と会えずに他の審神者の元に行っていたのかもしれない。
「じゃあまた、新しいの作ってあげる」
「ありがと」
清光の腕が伸び、私の耳元のイヤリングに手が触れる。
「これ…どっかで落としたと思ったら主が持ってたんだね」
「昨日、三日月が遠征先から拾ってきたの。御守り代わりに付けてみたんだけど…清光に返すね」
「いいよ、主が付けてて」
「でも…」
「御守りなんでしょ?俺だって主守りたいしさ…」
「じゃあ、もう外さない」
「本当に?」
「ホント」
「俺と喧嘩しても?」
「多分…」
「そこはホントじゃないんだ」