第3章 大好きな人【加州清光】
【大和守】
「清光、清光!」
清光?
障子を開け、外を見れば地面に倒れている主の姿。
「ねえ、主今清光って…」
主に声を掛けたけれど主の耳には届いて居なかった。
「主、重いって…」
「清光~!」
「って…聞いてないし」
主に下敷きになっているのは清光だった。
「清光!?」
「安定、主退かしてよ…」
「え~…」
「ちょっと…早く」
でも、清光は嬉しそうに主の背中をポンポンと手を添える。
主も嬉しそう。
主のあんな笑顔、いつ振りだろう?
「清光、おかえり」
「ただいま、主」
そして二人は唇を重ね合う。
僕たちが見ている中で。