第2章 初恋(木兎光太郎)
「なんですか、
HR始まるんで早くしてください」
『やっぱ…』
「?」
『やっぱなんでもねぇ!
今日もおまえかわいいな!んじゃっ!』
「あ、ありがとうございます?」
それだけを言うためにわざわざ早朝の、
しかも他学年の教室まで来たのだろうか。
唯は訝りながらも、
自分も教室へと戻った。
その頃木兎は、またもや思い悩んでいた。
(素直に伝える、って言っても
俺こんな気持ちになるの初めてだしな…)
そう、こんな明るいキャラでありながら、
実はこれが木兎の初恋。
恋愛について右も左も分からない上に、
相手は年下で鈍感。
(どうしたらいいんだよ…)