第2章 初恋(木兎光太郎)
次の日の朝、唯が教室に着くと、
なんだか中がざわざわしている。
「おはよう、どうしたn…って木兎先輩?!」
『おう、唯!おはよう!』
『あ、唯、やっと来たー…
さっきからこの先輩、口を開けば
"唯はどこだ"ばっかりで
みんな困ってたんだよ』
「うわぁごめんね、
今外に連れていくからね…」
そう言ってまるで動物のように
教室から連れ出された木兎だったが、
今回は決してしょぼくれてはいなかった。
「…で、先輩、何の御用でしょうか」
『実はおまえに言いたいことがある』
「はい」
『実はおまえに言いたいことがある』
「それはもう聞きました、で?」
『………くっ…』