第1章 想いよ、届け(及川徹)
『次は、…』
「ん?」
平静を装って尋ねる。
『次は、そういうことがあったら、
ちゃんと相談してよねっ』
「唯…?」
『あー!もう!だから、
よろしくお願いしますって意味!
あんな振られ方しても
好きな気持ちなんか忘れられないって!』
…たまらない。
その、強気な瞳が、
震える声が、
可愛い笑顔が、たまらない。
とうとう抑えきれなくなって、
ぎゅっと抱きしめた。
『徹!そういえば、
ちゅーしないとこれ終わらない!』
「あ!そうだった!」
そう会話を交わして唇を重ねた俺たちに
歓声と祝福の拍手が送られる。
何のための出し物かわからなくなったけど、
まぁそんなのいいよね。
こうして俺たちの出し物は、
大盛り上がりのうちに終わった。
それから、みんなの元に帰った俺が
岩ちゃんにまた拳骨を浴びるのは
まだ誰も知らない話。