第1章 想いよ、届け(及川徹)
「…唯」
ピンマイクがついているから、
拾われないように小声で囁く。
『どうしたの?早くキスしなきゃ』
「唯に伝えたいことがある」
『私は消えたりしないよ?』
「それでも、今じゃなきゃ駄目なの」
『何?』
「俺、唯のこと、
嫌いになったりしてない。
嘘ついた。ごめん」
『…。』
「いじめられてるの、知ってたんだ」
『え…?』
「助ける方法思いつかなくて、
幼稚でごめん。
でも、今でも唯が好きなんだ。」
『徹…』
「今度はちゃんと、俺が守るから…
だからもう一度俺と、
付き合ってください!」
最後の言葉は、
わざと、
マイクに入るように。