第4章 マラソン×再会×新たな出会い
『まぁ、並大抵の男には負けないと思うけど、実際どの程度の実力なのかは私にもよくわからないの』
『はぁっ!?』
意味が分からないとでも言うように大声を上げる銀髪の男の子には悪いが、実際わからないのだ。
私は今までニール兄さんとしか戦ったことがない。
だから私の力がどこまで通用するのか見当がつかないと言うのが正直な所。
『私、今までずっとある人のもとで修行してただけだったから…』
未だに苛ついた表情で私を見つめている銀髪の男の子に、苦笑しながら言う。
「『『『『ある人って?(ある人、とは?)』』』』」
今まで一緒に話していた4人はわかるけど、いつの間にか現れたのか、何故か金髪の男の人の隣でトンパも同じように質問してきた。
いつから聞いていたのか、何故私の話を聞きたがるのか。
全く意味がわからない。
けれど今からトンパをどうにかするのも面倒臭くて、私はひとつ溜息を吐いて話を続けた。
『……ニール=シュナウザー、私の 『ニ、ニール=シュナウザーだとっ!?』
今まで殆んど口を開いていなかった金髪の男の人が突然大声を上げ、私の言葉を遮る。
驚く私と頭の上に「?」を浮かべる4人を無視して、彼は両手で拳を作り喜びを噛み締めている。
『ねぇクラピカ、そのニールなんとかって誰?』
ゴンの言葉を聞いた金髪の男の人ことクラピカさんは、ゴンのことを凄い形相で睨みつけて言った。
『ニール=シュナウザーだっ!!!ニール=シュナウザーはブラックリストハンターとして数々の功績を上げているんだ。そしてその功績が認められシングルハンターの称号を与えられたと聞いている』
そこまで一気に言い切ったクラピカさんの瞳は爛々と輝いていて少し恐い。
『へぇ~、すごい人なんだねっ!』
そんなクラピカさんを気にも留めず笑顔で言うゴンに苦笑を返す。
ニール兄さんについて熱く語り続けるクラピカさんとそれを呆れ顔で見つめるレオリオさん。
その一部始終を見ていたであろう銀髪の男の子は、深い溜息を吐いて喋り始めた。
『まぁ、どっちにしろあんたは強いよ。そこのおっさん2人と金髪の人が束んなって掛かっても勝てないくらいにはね』
『確かにそれくらいならどうにかなると思うけど…』
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