第4章 マラソン×再会×新たな出会い
『えっ、ナナってそんなに強いの!?』
ゴンはキラキラした目を私に向けてくれているし、今言われた3人も信じれないと言う風に口を大きく開けて驚いているが、念も覚えていないんだから私が勝てて当然なのだ。
『つ、つうかオレはおっさんじゃねぇ!さっきも言ったが、オレはまだ10代だっ!!』
数秒呆けていたレオリオさんが弾かれた様に喋り出し、それをクラピカさんと銀髪の男の子が呆れ顔で見つめていた。
自分は10代だと言うレオリオさんはスーツにサングラスといった格好で、こう言ったらあれだけどとても10代には見えない。
レオリオさんの横顔をじっと見つめていると不意に目が合った。
その瞳はどこか落ち着いていて、いい意味で大人びて見える。
長時間目を合わせていた気まずさから曖昧に笑うと、レオリオさんが突然大きく溜息を吐いて項垂れた。
『……やっぱりオレは老け顔なんだ…』
『ぇ、あの、そんなことはないと…』
暗いオーラを発してるレオリオさんにどうすればいいのかと慌てふためいていると、落ち込んでいるレオリオさんを押し退けてクラピカさんが顔を出した。
『気にすることはない。レオリオの顔が10代に見えないのは本当のことだ』
真面目な顔でそう言い切ったクラピカさんに、今度はレオリオさんがものすごい勢いで顔を上げる。
『なっ、てめクラピカ!!』 『私が何か間違ったことを言ったか?』
キーキーと怒っているレオリオさんとそれを軽くあしらうクラピカさん。
そのやり取りが面白くて思わず頬が緩み、それに気付いた2人は言い合いを止めて気まずそうに私に視線を移した。
『っと、名前がまだだったな…。オレはレオリオだ、よろしくな!』
レオリオさんは後ろ頭を掻きながら歯を見せて笑う。
『見苦しい所を見せてしまってすまない。私はクラピカだ。よろしく、ナナ』
小さく咳払いをして優しく微笑んだクラピカさんは、女の人みたいに綺麗だった。
『よろしくお願いします!』
2人の笑顔に答えるように私も笑顔で返す。
『おう!(っ、…あぁ///)』
ナナの笑顔を見て赤くなったクラピカ。
それを見てニヤニヤ笑うレオリオが強烈な痛みに悶え苦しむのは数秒後の話ーーー…
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