第4章 マラソン×再会×新たな出会い
『レオリオー!!』
繋いだままの手に少し走りづらさを感じながら走っていると、ゴンが突然そう叫んだ。
その声に反応するように、少し前を走っているスーツの男の人がこちらに振り向いたから、その人がレオリオさんなのだろう。
『ぁ、ゴン!お前どこ行ってたん、だ……ょ?』
レオリオと呼ばれたその人は目を丸くして私達を凝視する。
さらに詳しく言うと、私達の間で繋がれたままの掌を、だ。
その視線になんとなく恥ずかしさを感じてゴンの様子を伺うが、彼は気づいていないらしい。
そんなゴンに小さく溜息を吐き、そのままレオリオさんの元まで走る。
『この子はナナ、オレの友達なんだ!』
ゴンがそう言うと、レオリオさんは顎が外れてしまうんじゃないかと思うくらい大きく口を開けた。
そしてその横でこちらを伺っている金髪の男の人、じっと私達を見つめる銀髪の男の子。
『えっと…、よろしくお願いします』
紹介された私は3人に小さく頭を下げ、曖昧に笑う。
すると、レオリオさんはダラダラと汗を掻きながらゴンの肩を叩いた。
『ぉ、おいゴン……、まさかこの子、あだっ!』
言葉の続きを遮るように、突然レオリオさんの頭が殴られる。
『よせ、ゴンは“友達”と言っていっただろう?』
淡々と喋る金髪の男の人をレオリオさんが軽く睨み、2人は顔を寄せ合って何やら話している。
大方、私とゴンの関係がどうのと言う話なのだろうけど、期待しているようなことは何もないと言い切れる。
ちらりとゴンの方に目を向けると、ゴンは案の定こそこそ話している2人を見て首を傾げていた。
『なぁ…』
少し高めの声に反応してそちらに顔を向けると、いつの間に移動したのか銀髪の男の子が私の隣を走っていた。
『あんた、強いだろ?それもかなり』
私をじっと見つめながら、銀髪の男の子は確かにそう言った。
普通の人間なら気付かないであろう事実に、彼が気付いたことに驚きを隠せない。
『とぼけたって無駄だぜ?俺にはわかる』
何も言わない私に痺れを切らしたのか、銀髪の男の子は私を軽く睨みながら続けた。
この子に嘘は通用しない。
銀髪の間から覗く鋭い瞳を見て、直感的にそう思った私は小さく息を吐いて言った。
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