第3章 私の本丸だ
「察しが良くて助かるよ。
とりあえず、私の事は次が見つかるまで繋だと思ってくれていいから。今は、信用してようがしてまいが、手入れはさせて欲しいかな? 短刀の子達は一応応急処置はしてあるけど、まだちゃんとは見れてないから……」
「っ貞は!!」
私と陸奥守吉行の会話を聞いて色黒の青年が私に詰め寄ってきた。
「っ伽羅ちゃん!!」
焦ったように眼帯の彼が止めに入る。
「貞は……無事なのか……。」
「その、『貞』って子がどの子なのかまだ、区別がつかないけど。一応、全員無事だよ。」
それを聞いて安心したように眉根のシワが取れた『伽羅ちゃん』は力が抜けたのか、眼帯の彼にもたれ掛かる。
「伽羅ちゃん!! 無茶するからっ……」
「疲れが出たのか、緊張してたのか……まぁ、大人しくなったならそれはそれで手入れしやすいからいいか」
「??? 何を……」
「えっと、眼帯くん。悪いけどそのまま支えておいてね。」
意識が朦朧とするのか、眼帯くんに持たれたままの『伽羅ちゃん』に私は口付けた。
「はぁ!?」
その場にいた全員がポカンとする中、陸奥守吉行だけがリアクションをした。
要領はまだ分からないけど、とりあえず力が彼に流れ込むように念を送る。
流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ流れろ。
そんな私の行動があっていたの分からないが、ものの10秒ほどで意識が覚醒した『伽羅ちゃん』は後にすごい勢いで飛び退いた。
「っ!!!
どう言うつもりだ!!」
ゴシゴシと手の甲で口を拭う『伽羅ちゃん』に若干イラつく。
「ん、それだけ動ければ大丈夫かなー。
と言うか、その反応やめてくれます? 私もこういう手入れは不本意なんだからー。
じゃあ、次ー。君でいいや」