第3章 私の本丸だ
私の言葉を聞いて2振りは目を見開き、長髪の方の子が悔しそうに下を向いた。
「兄弟、これは……」
灰色の髪の子は切っ先はこちらに向けたまま長髪の子に視線を向けた。
「石川の奴……話が違うじゃないか。」
『どうやら石川にいいように使われたみたいだね。』
タブレットから聞こえる六弥の声に2人が視線をこちらに向けた。
「……六弥、ここから石川の居場所調べることできないの?」
『んー、それはちょっと難しいね。大体の構造はどの本丸も同じだけど、部屋割りまでは把握出来てないんだ。』
ちっ、使えない。
「はぁ……。って事だから、君達に案内頼見たいんだけど、いいかな?」
悪態を溜息に変え二人にそう声をかける。
「……分かった。良いか、兄弟。」
「あぁ、俺も石川に聞きたいことがある」
「それじゃあ、よろしく!!
あ、私のことは好きに呼んでくれていいから。」
分かった。と答えると2人は、薄暗い廊下の奥にある部屋へと私を案内してくれた。
無言のまま案内された部屋の前に立つと、胸焼けしそうな気持ちの悪い空気が充満していることに気付く。
「なんか、このあたりの空気悪い気がする……」
『……そこの瘴気の濃度、通常の3倍はあるからね。
って言うか、付喪神が集まった神域で何をどうしたらそうなるのか……』
「詳しくは本人に聞けばいいでしょ?
えっと……骨喰くんだっけ?
これ、この角度で持っててもらってもいい?」
「あ、あぁ。」
骨喰くんにタブレットを持ってもらい、私は部屋の襖をあけた。
目の前に広がっていたのは
地獄だった。