第6章 Murder on D street
「よし杉本君。今から君が名探偵だ!60秒でこの事件を解決しなさい!」
「へぇッ!?」
にこやかに杉本に事件を解決するよう指示する乱歩。
「へっ、あ、えー!?いくら何でも60秒は!」
わあああああ、とパニックになる杉本。
「はい、あと50秒。」
そんなことお構い無しに乱歩はカウントダウンを続ける。
えーと等と一生懸命考えてる杉本を見て、自分を重ねる敦。
「そ……そうだ。山際先輩は政治家の汚職疑惑、それにマフィアの活動を追っていました!」
マフィア……!
突然思い出したように杉本が推理を語りだす。
その中に出てきた『マフィア』という単語に反応する敦。
「そういえば!マフィアの報復の手口に似た殺し方があった筈です!もしかすると先輩は捜査で対立したマフィアに殺され――」
「「違うよ。」」
太宰と紬の声が綺麗に重なる。
推理を中断し、否定の言葉を述べた2人の方を見る。
「え……?」
「マフィアの報復の手口は身分証と同じだ。」
「細部が身分を証明する。」
太宰達が説明し始める。
全員が黙ってその話を聞く。
「マフィアの手口は、まず裏切り者に敷石を噛ませて後頭部を蹴りつけ顎を破壊。」
「そして、激痛に悶える犠牲者をひっくり返して胸に三発。」
何時も通り、打ち合わせもなく息ピッタリに説明する太宰兄妹。
「うえっ」
敦がその場面を想像したのか、短く悲鳴をあげる。
「た確かに正確にはそうですが……」
「「この手口、マフィアに似てるがマフィアじゃない。つまり―――」」
「犯人の……偽装工作!」
それまで全てを黙って聞いていた箕浦が大きく反応する。
「そんな……偽装の為だけに遺骸に二発も撃つなんて……非道い。」
少し俯き気味でいう杉本。
「ぶーー!はい時間切れー」
突然の大声を、真後ろで出されてビクッとする杉本。
「駄目だねぇ君。名探偵の才能ないよ!」
あっはっはっと笑いながら杉本の頭をだむだむと叩く乱歩。
「あのなぁ貴様!」
乱歩が箕浦に反応し、杉本の頭を叩くてを止めた。
「先刻から黙って聞いていれば。やれ推理だやれ名探偵だなどと通俗創作の読み過ぎだ!事件の解明は即ち、地道な捜査・聞き込み・現場検証だろうが!」
箕浦はこれ以外の解決法方など存在しないと云わんばかりの口振りで述べた。