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【文スト】対黒

第27章 行き着く先は―――


治が失踪した……。

それだけを聞いて部屋に戻る。


「!」


誰かが侵入したな。
直ぐに直感する。

治ではない誰か。


私の元ならば手懸かりが残されていると思ったのだろう。


「ぬいぐるみが無い……ん?」


そして、その勘は中った。


机の上の開けられた手紙。


内容を読まれたか。


しかし、手紙を回収することなく置いてあると云うことはだ。


内容を確認する。


『此処から去ります。最期に嫌がらせとして紬の大事なものを燃やしたいと思います 太宰治』


矢張り、場所を特定するモノでは無かったからか。


手紙を仕舞ってポケットに入れる。



私の大事なもの。


ぬいぐるみを置いていた場所を確認する。


「あった」


巧妙に隠された何も書かれていない紙切れが1枚。



直ぐにライターで燃やした。


否。炙り出した。



「……。」


書かれた文字を確認するとそのままその紙切れを灰にした。


部屋を出ると何人もが通路の脇に潜んでいることが判る。


私に治を捜させるために泳がせる気か。


態と置かれた手紙もそうだったのだろう。



私は直ぐに拠点から出た。



この程度の尾行を撒くことなど私には難しくなどない。



「居ない!?」

「直ぐにA班とC班に連絡しろ!」

「遠くには行ってない筈だ!捜せ!」


そんなやり取りをのんびり見ながら。


私は治が指定した場所へ向かった。
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