第27章 行き着く先は―――
スー……スー……
何回もイカされて。
飛びそうにしているのにまたイカされてを繰り返し。
漸く眠りに就くことを許されて私の腕の中で眠る紬。
身体を重ねながら色々訊いた。
こんなに話すのは初めてだと断言できるほどに。
可愛い声で喘ぎながらも律儀に返答していた事を思い出すと未だ興奮状態にあるのかもしれないと紬を抱き締める。
そんな中で聞いた「今日の予定」。
『人が多いだろうから出掛けたくない』
ただ、それだけの理由だった。
安心した私が居た。
しかし、だ。
こんなことをする予定では無かったのに。
紬が絡むと凡てが私の思惑通りにいかなくなる。
私は拒絶していた筈なのに。
抑も、何で紬のことを拒絶していたのか。
今ではそれすらも思い出せない。
こんなにも愛おしいと思える存在は他には居ない。
それにも拘わらず、今まで目を背けてきた理由が有るとするならば。
誰かの陰謀では無いのかと思えてくるほどだ。
「紬……」
名前を呼ぶとモゾモゾと私に引っ付いてきた。
「寒い?」
「ん……」
短い返事。
蒲団を掛け直してやり抱き締める。
暖かくなったのか。
満足そうに笑うと、また目を閉じて眠り始めた。