第27章 行き着く先は―――
嫌味を嫌味で返す。
何時も通りの紬だ。
「それだけ?それじゃあ私はもう寝るよ」
本当に眠いのだろう。
身体を丸めて眼を閉じる。
「何の用事がある?」
「え?」
「今日だよ」
「用事?特に無いけど」
「……。」
キョトンとした顔で私を見ると1つ欠伸をする。
「まあいいや。寝ていいよ。私も疲れたし寝る事にするから」
「うん。おやすみ治」
そう云って眼を閉じる。
「………追い出すくらいし給えよ」
「別に私は困らないよ」
眼を閉じたまま。
しかし、ハッキリと答える。
「本気で云ってるの?」
「困ってるなら嘘付く前に追い出してる」
本当は△△だけを片付けに行ったつもりが、□□まで居た事に対して嫌がらせにきた積もりだったのに。
私が黙った瞬間に寝息が聴こえてくる。
何の嫌がらせにもなっていない。
あと出来ることと云えば紬の眠りを妨げることだけだろう。
「……。」
誰のために空けていたのと訊けば良かったのだ。
2組織を潰して暇を作ったということは相手は中也の可能性だって考えられる。
私が知らないところで相談し合う程の仲なのだから。
先刻、顔を出していた感情が再び目を覚ます。
この感情を抱くと云うことは、だ。
―――私は紬に……。
そんなことを考えている等とは露程にも思わないだろう。
無防備に寝ている紬を見て邪な考えが過る。
眠りも妨げられるし一石二鳥か。
明日は一日、此処で過ごせば良い。
誰にも会わずにベッドの中で。
そう思った瞬間に行動に出る。
パジャマの鈕を数ヶ所外し、出来た隙間から手を侵入させる。
寝るときは下着をつけない様だね。
露になった少し膨らんだ胸を揉む。
「んぅ……?」
うっすら目を開ける紬。
未だ覚醒しないか。
優しく触っていた胸の頂を少し力を入れて摘まんだ。
「っ!?治っ!?何してっ……!」
漸く起きた紬。
「何って……男女が1つベッドの中ですることをだよ」
「!?」
両手を拘束して、意地悪く云った。
紬の部屋に行ったのは日付が変わって間もない頃だったのに。
―――気が付けば時計の針は真っ直ぐなっていた。