第27章 行き着く先は―――

「反省してる」

「私もだよ」

お互いが苦笑して口付けを交わす。


しかし、だ。


「結局は今のように私と共に過ごしていたの？」

「うん。マフィアから抜けるときに治にプロポーズされたから」

「え」


太宰が固まる。


「まあ、今の治が私に云うことと大して変わらない内容だったけれど。それでも、それまで一度も云われたこと無かった台詞だったから幸せそうに……」

「……マフィアを抜ける私に着いてきたのか」

「ふふっ。でも本当に今と殆ど変わりはしない内容だったよ」

「本当に……？」

「ん？何か腑に落ちないことでも？」

顔をあげて訊ねる。


「先刻も云ったけど紬がしないような顔をしていたもん」

ぎゅうっと力を込めて抱き締める。


「うーん。違いと云えば一般人と交際していたねぇ」

ピクリ

「……理由は」

「治の気を惹きたかっただけ」

「……。」

許す事にする。

「あと、編み物とか暇潰しにしていたよ」

「ふーん」

「今の私では考えられないくらい一般女性らしい事に手を出していた様だね。そのせいかもしれないよ」


クスクス笑う紬に、今の自分が知らない顔をする紬が居ることに不満がある太宰。



「一部だけ聞いてもピンとこないや。夢の内容全部聞かせて」



軽く口付けをしてから、云った。