第27章 行き着く先は―――
「太宰さん!?一体、どちらに!」
どちらに?
決まっている。
その問いに答えることなく足を進め、目的の場所まで行き―――
バンッ
「!」
目的の部屋の扉をノックすることなく開けた。
中に居た数人の内、一人を除いて驚いた顔をして此方を向いているが如何でもいい。
用事があるのは除いた一人なのだから。
「おや。先程出掛けたばかりの筈なのに随分早いご帰宅じゃないか」
「君のお陰だよ。そのお礼に来たんだ」
「お礼ねぇ。ならば何故そんなに怒っているんだい?」
「怒ってる?冗談だろう?こんなに笑顔で礼を述べているではないか」
「そうだったか。いやなに。私はそうだと思ったのだよ?しかし、其処に立っている連中が君の顔を見て怯えている様だからね」
ジロリ
「「ヒッ」」
私が睨むと小さく声を上げて息をのむ連中。
この女の部下だ。
「二人で話したいことが有るのだよ。離席してくれるかい?」
ヘラッと笑ってみせてそう云うと連中は返事をすることなく部屋を出ていった。
「可哀想に。偶々居合わせただけなのに八つ当たりされるなんて」
クスクス笑うその人物は
「君のせいだ。私が咎められる理由など無いね」
同じ背格好をしていて
「別に咎める気など無いよ。私には一切関係ないことだからね」
同じ顔に、同じ声。
「性格悪いね。知ってたけど」
同じ思考回路を持ち合わせる
「その言葉。そのまま返すよ」
―――私の双子の『妹』だ。
「何が目的だい?」
「別に?私が始末しようと君が始末しようと何か変わることでもあるのかい?」
「無いから聞いているんだ。君が私の仕事を『手伝う』なんてことする筈がない」
「気紛れだよ。何故そんなに断定するんだい?」
「私なら絶対にしないからさ」
「あははははっ」
場にそぐわないほど笑い始める。
気に入らない――。
「成る程ね。納得した」
一頻り笑い終わると1枚の紙を寄越してくる。
「……。」
受け取って内容を確認する。
「あの連中、君の立案したプランを壊しただけでは飽きたらず私の立案したプランにまで手を掛けたのだよ」
「それで態々動いた?冗談も大概にし給えよ」
「おや。未だ納得がいかなかった?」
「当たり前でしょ」
紙を机に叩き付ける。