第27章 行き着く先は―――
『太宰さん。手筈が整いました。何時でも行けます』
「そう。では指示通りに」
『はっ!』
通信が途切れる。
此れで、この組織も終わりを―――
ピッ
今し方、切れたばかりの通信に反応がある。
「如何かしたかい?真逆、もう見付かっ…」
『それがっ……!』
私の声に被せてくるほどの焦り。
余程の事態か。
溜め息をついて聞くことに集中する。
『全滅です……』
「は?」
『既に全員が死んでます……』
「……。」
先を越された?
直ぐに思考を巡らせる。
一体、何処の連中が何の目的で――………
「そうか……」
1つの考えが浮上する。
否。
これ以外の結論など存在するわけが、無い。
『……何か情報を探しますか?』
「いや良いよ。引き上げて」
『えっ………あ、はい』
ピッ
はぁー………。
「何かトラブルですか?」
私と唯一ともに待機していた運転係が話し掛けてくる。
「やられたよ」
「え」
今の私は不機嫌な顔をしているのだろう。
運転手の顔色が悪い。
「帰る」
「は、はい」
私が短くそれだけを云うと男は慌ててエンジンを起こし、発車させた。
「………。」
やられた。
あの忌々しい
私と瓜二つの女に―――。