第25章 今思えばあの頃から
2日振りの妹。
会えるのを楽しみに戻ってきたと云うのに。
「!」
最初に捉えた紬の姿は、他の男に笑顔で話しているところだった。
何かにヒビが入る音がした。
「治?治ってば!」
何も云わない私に紬が呼び掛ける。
部屋に入って鍵を掛けて。
そのまま紬をベッドの上に放り投げると
「!?」
素早く上に覆い被さる。
「治………?」
片手で紬の両手を上方で拘束して、もう片方の手で衣服を剥ぎ始める。
紬は一切抵抗していない。
下着まで手に掛けて、少し膨らんだ胸を露にさせて漸く顔を紬に向ける。
「抵抗は」
「する気はないけど……」
泣きそうな顔をしている紬。
先程、中也に見せていた顔とは正反対の顔。
此処で罪悪感が勝れば良かったのに。
生憎、今の私を支配しているのは、憎悪と嫉妬だ。
「他の男にこんなことされても抵抗しない積もり?」
「そんなわけなっ……あっ!」
胸を乱暴に揉みしだく。
「治っ……痛ぃ!」
「態と」
口も使って両方の胸を攻め始める。
「ひゃぁ!……あっ……んぅっ……」
徐々に紬の声が甘いモノへと変化する。
「強姦されてるのに喘ぐなんてはしたないね」
手だけを動かし、顔をあげた。
「―――っ!」
泣いていると思いきや。
視界に入ってきたのは必死に快楽に耐えている紬の顔。
止まらない手の動きに合わせてピクッと反応しながら喘ぐ。
そして乱れた呼吸の合間に口を小さく開けた。
「強姦なんて……思ってない」
完全に何かが壊れた音がした。