第24章 神隠しと云う名の
「一寸、迎えにいってくるから先に夕飯でも済ませといてくれ給え」
「一緒に行きましょうか?」
「大丈夫だよ。今日一日一緒に居なかったから拗ねているだけさ」
「餓鬼かアイツは」
行ってきますと云って部屋を出ていく。
「夕飯、どうしましょうかね?」
「そうだな……」
―――
「此処から出して!」
ガシャガシャと檻を掴んでゆらすのは○○。
その奥にもう1人座っているが此方は欠伸をする程の余裕振り。
拘束された手で頭を掻いて目を閉じる。
「何でこんなことにっ…」
○○は座り込んで泣き始めた。
ピクッ
それまで○○の声しかしなかった空間に別の声が響く。
目を閉じて眠ろうとしていた男、太宰はそれに気付いて目を開けた。
「○○!大丈夫!?」
「!■■ちゃん!□□ちゃん!」
駆け付けたのは先程まで一緒に居た2人組み。
その事に安心した顔をする。
「○○!腕を伸ばして!」
「えっ!うんっ!」
手を伸ばす○○。
太宰は黙ってその光景を観ている。
プスッ
「え?」
注射針を打たれて何か薬を注入される。
「ごめんねー!」
「でもほらっ!最初は太宰さんにヤッてもらうといいよー」
直ぐに体の異変に気付く○○。
「催婬剤か」
「「中りー。しかも超強力のねっ」」
太宰の呟きに笑顔で返す2人。
「あっ……太宰さんっ……身体が……」
何もしてないのに疼く様だ。
蕩けた目で太宰を見て、近寄ってくる。
「熱い……触って下さっ……」
「……。」
ゴッ
「っ!」
バタリ。
太宰の手刀が決まり、○○が意識を失う。
「わー!太宰さん連れないー!」
「抱いてあげればいいのに。太宰さんも気持ちよく為るでしょ?」
「生憎、今はそういう気分じゃないよ」
ヘラッと笑う。
「ところであれは何だい?」
「んー?クッション材だよ?巨大トランポリン」
「へぇー誰か上から降ってくるのか」
「その通りー!頭いい!」
「丁度、そろそろ降ってくる頃だよ!」
■■達がそういうと、奥から男が4人出てくる。
ゴゴゴゴゴゴ………
「!」
1ヶ月前から起こっている揺れってこれの事か!
太宰が注目する。
ゆっくりと鍾乳洞の天井が開かれ
「うおっ!?」
「!?」
良く見知った人達が降ってくる。