第24章 神隠しと云う名の
「君達は何時も我慢比べをやってるのかい?」
「はいー♪サウナは身体に良いですからねー」
「でもいっつも私が負けちゃうんですー」
□□が今日こそはと意気込んでいる。
「紬さんはスタイル良いですけどサウナとか利用してないんですかー?」
「してないねえ。寧ろ、サウナは初めて入るよ」
「えぇ!?初めて!?」
驚きを隠せない3人にそんなに驚くことかい?と笑っている。
「○○はー?」
「私はよく利用しますよー。30分くらい平気で入ってるかも」
「スゴーイ!」
サウナに入って早くも15分が経っていた。
「ヤバイ!私、珍しく限界だー!先に上がるよー」
そう云って■■が出ていく。
「嘘っ!■■に勝ったー!?」
喜んで居る□□に「おめでとう」と云う○○。
そうして更に10分が経過する。
「ふぇー。私もそろそろ限界ー」
そう云って扉に手を伸ばす。
ガッ!
「え?」
「ん?」
ガチャガチャ
ドアノブを回すも扉が開かない。
「えぇ!?うそー!?鍵が閉まってるー!?」
「そんな!閉じ込められたってことですか!?」
「おや。困ったことになったねえ」
紬もガチャリとしてみるも開かない。
「どうしてそんなに冷静なんですかぁー?」
「私は未だ平気だからね。騒いで体力を使いたくないだけだよ」
苦笑して一番隅っこに□□を移動させる。
「■■さんが気づいてくれると良いけど…」
○○の声が小さく、しかし、響いた。
それから更に10分が経つ。
2人とも限界なのか。
サウナの椅子にぐったりとしている。
そろそろ拙い状況だがどうするか。
2人を一瞥して扉に注目する。
そんな時だった。
「未だ我慢比べ続いているのー?」
「!」
すんなりと開く扉。
服を着た■■が様子を見に来たのだ。
「ああ、良かった。出られなくて困っていたんだよ。悪いけど2人はもう限界だから人を呼んできてくれないかい?」
「えっ!?」
ぐったりとしている2人を確認して慌てて人を呼びに行く。
紬は2人をヒョイっと担ぐと脱衣所まで運んだ。
バスタオルを巻いてやり、身体を隠す。
それと同じタイミングで
「お客様!大丈夫でしょうか!?」
■■が呼んできた従業員達が入ってくる。