第24章 神隠しと云う名の
白に青緑色の混ざった生地に淡い2色の朝顔が描かれた浴衣。
「矢っ張り息ピッタリですねー太宰さん達」
「治も同意だし此れにしよう」
紬が取る前に太宰が持つ。
それを満足そうに観ると少し離れたところに移動を始める。
「帯は何色にしようかなー」
敦と一緒に帯コーナーに移動したのだ。
「軟派かい?」
「そんな積もりじゃないよ。彼女の美しさに本気で惹かれたのさ」
「ふーん。まあしかし紬を口説こうなんて許し難いね。出直してき給え」
「……。」
笑顔で言い捨てると太宰は2人の方に近寄る。
そして、帯を決めると3人でその場を去っていったのだった。
その場に独り立ち尽くす男。
ピロンッ
「おっと」
男の携帯電話が鳴る。
到着したばかりのメールを開き、返信を始める。
『此方も良い女を見付けた』
そう送信して、到着したメールの画面に戻る。
『カモの女と、良い男を見付けたよん(^-^)v今から作戦を開始するねー\(^o^)/』
キーを押して此のメールを削除する。
「絶対にあの女を落としてやる」
ニヤッと笑って男もその場から離れていった。