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【文スト】対黒

第24章 神隠しと云う名の


―――

「敦」

「何ですか?」


米神に怒りマークを3つほど浮かべながら国木田が敦に話し掛ける。


勿論、怒りマークを作った連中の姿は此処にはない。


「あの迷惑産出機2台は何処に行った?」

「聴き込みをしてくると云って出ていきましたよ?」


国木田が周辺の地図や施設の案内などを旅館のフロントに貰いに行っている隙に居なくなっていたのだ。

「……何故止めなかった」

「え……いや、別々の方向に行かれたし、取り敢えず旅館内で聴き込みをするって云われたから」

「お前が目を離した隙に合流して遊んでるに決まってるだろう!」

国木田に怒られて俯く敦。


判ってたけど僕があの2人を止められるわけ無いでしょ!


とは当然ながら言い返せない。

「まあいい。後を追うぞ」

「はい……」


こうして部屋を後にした2人であった


―――

「「……。」」

結論から云えば直ぐに太宰兄は見つかった。


「もー!太宰さんったらー」

「そう云って色んな女の子に声を掛けてるんでしょー?」

「そうだねー。まあ折角の旅行だ。一期一会を大切に交友の輪を広げたいからね」

「嘘をつかないところがまたイイー」

キャッキャッ

3人の女性が発する黄色い声に囲まれて笑顔を振り撒いている姿を茫然と観ている国木田と敦。


「君達は友人同士で旅行かい?」

「あ、私達は友人でー」

茶髪に派手な化粧の二人組が云い、

「私は一人旅です。先程、お二人と知り合って仲良くして頂いてます」

黒髪の大人しそうな子が答えた。

「へぇー!君達も一期一会を大切にしてるんだねー」

「そーなんですよ!折角だからワイワイ楽しみたいじゃないですかー!」

「良かったら太宰さんも如何ですかー?」

友人二人組が誘う。


「素敵なお誘いだが私も連れが居るからね」

「えー?彼女さんですかー………あ、あの2人?」


此方を観ている敦と国木田に気付き、指を指す。


「ん?あ、そうそう。あと妹がいるのだよ」

「妹さんもいるんですねー!」

「見てみたーい」

「ふふっ。此処に泊まるなら見掛けるかもしれないねー」

「あ、そろそろ食事を予約してた時間だよ」

「ホントだーじゃあ太宰さん、また話しましょ♪」

「うん。またね」


笑顔で手を振る太宰。
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