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【文スト】対黒

第22章 2つ兄妹、違いは?


それから暫くして

がちゃり

「「!」」

男達が戻ってくる。

顔に不気味な笑みを浮かべながら――

「解放してくれる気にはならなかったようだね」

「分かるか?」

ニヤリと笑いながら答える男。


「依頼人が依頼を取り下げた。この事実は間違いねぇ」

「うん。で?」

「しかし俺達の面は割れてしまったからな」

「口封じに弱味を握る積もりか」

「頭がいいねえー惚れそうだ」

「冗談。私は君達みたいな頭軽そうな子供はお断りだよ」

ピキッ

完全に紬を注目する。

「元々お前からヤる気だったんだ……頭軽そうな子供達が屈辱を味わわせてやるよ」

「へぇー……」


ゾワリッ


「「「!?」」」

その場にいた人達がビクッと肩を上げる。


「やってみ給えよ。やれるものならね」

先程まで一切見せなかった殺気。

男達が一瞬、怯む。
が。

「っ!馬鹿にするな!」

先程、紬に馬乗りになっていた男が云ったが合図だったのか。
男達が一斉に紬に向かっていった。


異能力―――


「終焉想歌」

紬に触れた瞬間に連中の動きは止まり、次々と床に叩きつけられる。


「元来、私に触れられる人間なんてこの世でたった一人しか居ないのだよ」

何が起こったのか判らない男たちは、床に突っ伏したまま紬の言葉を聞いた。

「あ、此れを借りてたんだった。返しておこう」

カツーンッと音を立てて男の目の前に転がる携帯電話。

「何時の間に!?」

「車の中で。温いねえ…身体検査もしないなんて」

床に這いつくばったままの姿勢で返す。

何で身体が動かないんだ等と騒ぎ出す男たちを嘲笑う紬。

「君達とは悪巧みの歴も質も全く違うんだよ」

「「………。」」



それから太宰達が駆け付けるまで時間は掛からなかった。

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