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【文スト】対黒

第2章 入社試験


平日の昼間のお昼時と云うこともあり、店内に人は然程居なかった。

その為、数分待ちで窓口に呼ばれる。

国木田が窓口に歩み寄った瞬間、事件は発生したのだ。


「全員、手を上げろ!!!」


「!」

突然、男が叫ぶ。

手に持っているのは拳銃。
銀行強盗だ。

慌てて係が机の下の非常釦を押そうとする。

が。

パアン!

「!?」

キャー!等と悲鳴が上がる。

丁度、国木田の対応をしようとしていた男が撃たれた。

「云うことを聞かないと撃つ。今の様にな。」

顔を黒い布で覆っているため表情は読めないが、恐らく笑っているのだろう。

男が何かブツブツ言った瞬間に、同じ格好をした人間が3人、入ってくる。
唯一違うものは拳銃の代わりに大きな袋を大量に持っているところであった。


「おい!大丈夫か!?」

「うっ……あ…は…い。」

出血する左肩を抑え、呻く。


「全員、1ヶ所に集まれ。客も店員もだ。早くしろ!」

「チッ」

怯えながら男達の言うことに従う。

「店員、シャッターを降ろせ。」


指示通りにシャッターが降りる。


これで完全に閉じ込められた――。


1ヶ所に集まった後、国木田が撃たれた男の止血にはいる。

「済みませ…有難う……ござ。」

「喋るな。」

痛みと出血のせいで意識が朦朧としているようだ。


早く医療機関に運ばねば。
だが、どうしたものか。


人質を見渡しても客、店員合わせて20人近くはいる。

此処で暴れて拳銃を持っている男を捕まえたとして、金を我武者羅に袋に積めている男達も武装していれば
被害が増えてしまう。

考えて、紬に視線を移す。

「ん?」

あいつ、こんな時に何をしているんだ?


紬は店員の男と小声で何か話していた。

そして、何かを受けとる。

次に、客であった女性に話し掛ける。

そして、また何かを受け取った。

そこまでやって、国木田の視線に気付き、静かに歩み寄ってくる。

「大きな血管に中ったか。出血が酷いな。」

そう云って撃たれた男の肩に触れた。

「おい。触るなよ。」

横目で紬が、撃たれた店員に何かしているのを見て、制止する。

「ふふふ。済まない。では、行ってくるよ。」

「は?」

「国木田君は隙が出来たらあの拳銃を持った男を頼む。」

「は!?おい!」
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