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【文スト】対黒

第12章 The strategy of conflict


「監視映像、弐番と伍番が停止!」

「自動迎撃銃座を起動せよ!」

緊迫した状況下で、目前に迫っている敵兵を迎え撃つ守勢側。
一斉に銃口が敵兵を向き、発砲する。

相手は銃口が己に向いたことに気付くも全く動じず、反対にニヤリと笑う。

その笑顔の通り、弾は当たることもなく迎撃銃座全てを破壊した。

「特使の接待役がこんな木偶とは。泣かせる人手不足じゃねえか、探偵社」

監視カメラに向かって話を始める帽子を被った男。

「生きてる奴が出て来いよ」

「……」

その挑発の映像を見て、乱歩が反応する。

「社長」

「お前も私と同意見か」

福沢に云われ、乱歩はコクッと頷いた。
乱歩の指示で与謝野と賢治が退室する。

「紬の知り合い?」

「はい」

画面を指差した男を観て溜め息を着く。

「厄介なことに暴れられたらあの二人に勝ち目は有りませんよ」

「君なら止められる?」

「勿論」

ニッコリ笑って答える紬。

「でも、私も乱歩さんと同意見ですよ」

「そっかー。でも行くんでしょ?」

「残っておいた方が良いならそうしますが……私が此処を離れても彼を絶対に通しはしませんよ」

「………。じゃあ君も行ってきて」

「了解」

ふふっと笑いながら紬も退室する。

「何のやり取りだ?」

その姿が見えなくなって漸く福沢が口を挟む。

「ん?ああ。紬はこの奇襲を知っていたみたいだね」

「何!?」


だから守勢側に入ると云ったのか……!


「恐らく太宰より情報を多く持っていたんだよ」

「成る程な」


先程の兄妹のやり取りを思い出し、凡てを納得した。
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