第10章 連続爆破事件
そう意気込んだものの―――
「何だ此の暗号は……」
「全く分かりません……」
謎の記号やアルファベットやらが並んでいる紙を難しい顔をして眺めている国木田と敦。
時刻は正午を過ぎたところだった。
勿論、それまでだって別の業務に追われたり盗聴器を探したりしていたが
『盗聴器も見付かりませんね』
『ああ』
ペンを走らせて筆談する。
「千葉県なのは間違い無い……ってことは移動だけでも二時間はみておかないと拙い」
「いっそうの事、千葉に移動して考えると云うのはどうでしょう?向こうに行って分かることも有るかもしれませんし」
「それだ!社長に伺いを立ててくる」
国木田が事務所を出ていった。
「今のうちに僕は考えるぞー」
態とらしくそう言って、盗聴器を探し始める敦。
見付からない……
こんなとき太宰さんなら直ぐ見付けられるだろうに
太宰の存在が如何に大きいか、思い知った。
「敦、社長の許可が下りた。行くぞ!」
「はいっ!」
―――
そして渋滞に引っ掛かったりすること三時間弱
「やっと着いた……」
千葉県に到着した敦と国木田はうんざりした顔で車を降りた。
「ヘリポートの爆破の影響だろう……出発していて良かったな」
「本当ですね……」
「問題は此処からだ。早く場所を特定しなければ」
「そうですね……一人で爆弾を探している谷崎さんの為にも……」
ピピピピピピピピピ……
電話が鳴る。
「はい、国木田です」
『国木田君ー?僕だけどー』
「乱歩さん!?」
「!」
予想だにしていなかった人物から連絡があり、国木田は思わず大声を上げた