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【テニスの王子様】千石清純【裏夢】R18

第1章 クラスメイトの千石くん


思い切って運営委員になって良かった。

廊下を一緒に歩くと、千石くんはいろいろな人に話しかけられる。

男子女子、後輩も。千石くんはへらへらと笑顔を返しているけど、人徳だよなぁ…。

人気者だよなぁ…。

「千石せんぱーい!」

ぱたぱたと可愛い子が廊下をかけてくる。着ているジャージがぶかぶかだ。目がぱっちりしていて、小柄で可愛らしい。

「千石先輩、今日、放課後亜久津先輩とケーキ屋さんに行くんですけど、千石先輩も行きませんか?」

「あはは、モンブランでも食べに行くのかい?」

千石くんが笑う。テニス部の後輩かな?見たことあるような、ないような。

「なんで分かるですか?」

「だって亜久津、モンブラン好きじゃん」

「はいです!千石先輩は忙しいですか?」

「うーん、忙しくはないんだけど、今日は先約があるからやめておくよ」

肩を落とす後輩ちゃん。なんだかかわいそう。

「そうでしたか、じゃあまた今度お誘いしますね!」

「あの、私なら、いつでも良いから、行ってきたら?」

後輩ちゃんが不思議そうな顔をする。

「だめだよ!俺が誘ったんだし、ちゃんは気にしないで!」

「千石先輩、彼女さんですか?」

小首を傾げ、後輩ちゃんはさらに可愛く見える。

「いえ、クラスメイトです」

千石くんに迷惑がかかるのは避けたいのでハッキリ言うと、後輩ちゃんは私に微笑んだ。可愛い。

「そうでしたか、失礼しました、じゃあ千石先輩、また」

来た時と同様ぱたぱたと後輩ちゃんは走って行った。

「千石くん…良かったの?えっと、後輩ちゃん?」

「ああ、テニス部のマネージャーだよ」

「そうなんだ、良かったの?」

「まあ、男とケーキ屋行っても、楽しくないからね」

千石くんがぺろっと舌を出しておどけてみせる。

亜久津くん、ケーキとか食べるのか…さっきの子はただのマネージャー?亜久津くんの彼女?

どっちにしても、あの可愛い子はテニス部のマネージャーか。

見かけたことあったわけだ。

「マネージャーさん、可愛い子だね」

「うん?まぁ、よく可愛いって言われてるね。本人は気にしてるみたいだけど」

「ふぅん?」

目立つのが嫌とか?

「まぁ良いじゃん!早く委員会で報告してデート行こう」

デート、という単語にどきりとする。
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