第4章 好き
不思議と怖くはなくて、千石くんの指が入ってくるのが解った。
「ふぁ、ああっ」
首に腕を回すと自然と唇を合わせたくなる。
不思議。
ずっと前からこうしていたような落ち着きと、初めての体験に心臓と脳みそが混乱を起こしてる。
「ふ、あ」
キスの間に上手く息継ぎが出来ない。
「んんっ」
指が私のナカにさらに入ってくる。
「痛い?」
優しく聞かれ、顔を見ると千石くん…もとい、きぃちゃんが心配そうな表情を浮かべていた。
首を横に振ると、きぃちゃんが微笑む。
「良かった」
「あっんぅっ」
今まで感じたことない圧迫感と、快感に思わず声が出る。
「気持ち、いい?」
「んっ、わかんなっいっ」
指がナカで動くのが解る。
「ひぅっ」
「うん?ここかな?」
まるで探し物を見つけたような言い方をして、同じ場所を擦られる。
「ふぁっ!?あああっ、んっ」
首にしがみついていると首筋をペロリと舐められ身体がぞくぞくと反応した。
「かわいい…」
耳元でささやかれ、ナカがきゅんとした。
「あ、締まった」
「や…」
「やだ?」
優しい言い方、ずるい。
「やじゃ、ない」
「そっか」
「ちゃんのナカ、時々きゅってなるの、解る?」
「…うん」
「俺の指、食べられちゃった」
「…ばか」
目を合わせると微笑むきぃちゃん。
今朝まではただのクラスメイトだったのに、淡い片思いはあっという間に欲望に変わっていく。
啄ばむ様なキスを繰り返しているうちに、指の動きが激しくなっていく。
「あっ、あっ、んっ、ひぁっ」
息が上がっていく。
なにかが込み上げてくる様な感覚。
「あっ、きぃちゃ、ん」
「うん?」
優しい声にまたナカがきゅんと疼く。
「なんか、へん、な、の」
「どんな感じ?」
「なんか、くすぐったいみ、たい、な、あっあっ、なっ、ああっ」
指が動き続けて上手く話せない。
「ふっああっ」
空いた手で髪を撫でられ、また頬に触れられ、キスが落ちる。
「あっ、あっあっ」
さっき感じた刺激が立て続けに襲い来る。
「きぃちゃ、ん、なんか、なんかへ、ん、こわ、い」
頭を抱えるように抱かれ、少し安心する。
「大丈夫だから、そのまま気持ち良くなって」
「んっんぁぅっ」
くちゅくちゅと濡れた音が聞こえる。